OEMとは
生産コスト削減のために、製品の生産を海外企業に委託して、製品供給を受けることにより、
委託者である企業は大きなメリットを享受できます。OEM生産では、委託者が製品の詳細規格を受託者へ支給し、
場合によっては技術指導も行います。技術提携や販売提携と並んで企業の経営効率を高める目的で採用されています。
OEMのメリット
委託者のメリット
委託者のメリットは、生産能力不足をカバーし、製品構成を維持しつつ、高付加価値製品の生産に集中することができ、増産のための設備投資が不要となるため、資金的負担が少ないというメリットもあります。
• 低いリスクで生産を維持できる
• 生産コストを気にすることなく柔軟に生産量をコントロールできる
• 生産にかける時間と労力を新製品の開発に集中できる
特に、外需主導国である韓国への委託の場合、アメリカ、EU諸国、中国とのFTA(自由貿易協定)が日本より進んでいるため、生産におけるコストメリットに加え、FTAの恩恵を受けることにより、日本から輸出するよりも関税が抑えられる分、更なるコストメリットを享受することができます。
受託者のメリット
受託者のメリットは、自社生産余力の活用、自社技術水準の向上、量産効果(スケールメリット)の享受などがあげられます。
• 余力を有効活用することにより稼働率を上げ、そこから収益が期待できる
• 受託者側が委託者に比べて技術レベルが低い場合は、委託者から指導を受けノウハウを吸収できる
• 受託者の技術レベルの向上にもつながる
OEM事例
① A社の場合
- 国内での生産能力不足のカバー
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社製ポリエチレングリコールを海外メーカーへ生産委託することにより、自社の生産能力不足をカバーし、その製品を生産していた設備で他製品を生産できるようになりました。
また、増産のための設備投資が不要というメリットも。
② B社の場合
- コストダウン
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国内メーカーのポリエステルポリオールを使用していたが、コストメリットを出す為海外メーカーへ生産委託した結果、コストダウン及び自社製品の拡販に成功しました。
③ C社の場合
- 新製品の開発に専念
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自社製UV硬化モノマーを海外メーカーへの生産委託することにより、高付加価値製品を生産できることと、新製品の開発に専念できるようになりました。